{ "dataList": [ { "id": 0, "content": "リウの協会シンボルは炎だ。" }, { "id": 1, "content": "何も知らない烏合の衆は、拳と足から炎が出る様子だけを見て\nそれを形象化したと思うんだろう。" }, { "id": 2, "content": "だが、外れだ。" }, { "id": 3, "content": "あの炎はただ工房の武具たちが出す副産物に過ぎず、\nそれがリウを代弁するものにはなり得ない。" }, { "id": 4, "content": "俺が学んだリウの行動綱領は、炎のようにどんなものでも燃やせということ。" }, { "id": 5, "content": "心と身体をいつでも炎のように燃やす準備をしなければならないと、\n俺は受け止めた。" }, { "id": 6, "content": "沢山のフィクサーが強くなるため、あらゆる試みをする。" }, { "id": 7, "content": "雑多な強化身体施術、奇怪至極で儚い強化刺青…カネを稼ぐたび\nそういうものに捧げながら、どうにか都市で生き残ろうと足掻く。" }, { "id": 8, "content": "つまんねぇ。戦闘の勝敗と生死を分ける決定力において、\nそんなものに効用があるはずはない。" }, { "id": 9, "content": "経験に欠けた強化は、ただ訓練場に置かれた\n自動木人と変わりないからだ。" }, { "id": 10, "content": "反対に言えば…無限に積み上げた経験、すなわち度重なる訓練は\n誰も持つことができない身体施術を受けたのと同じだという意味だ。" }, { "id": 11, "content": "…まぁ、高い武具や強化された身体まで持っていれば、\nもっと強くなることはできるだろうが。" }, { "id": 12, "content": "そうやって全部を揃えおくのは\n俺の性に合わないからな。" }, { "id": 13, "content": "極限まで整えた武芸と経験が武器に他ならないってのは、\nかなり燃えてこないか?" }, { "id": 14, "content": "鍛錬という炎を消さないように、\n絶えず身体を刻んでいくのは楽しいことだ。" }, { "id": 15, "content": "そして…。" }, { "id": 16, "content": "こうやってたまに。\nその結果を検証できる場が作られる。" }, { "id": 17, "content": "拳からは炎が燃え上がる。これまた感覚的な演出だ。" }, { "id": 18, "content": "しかし俺にとっては、ただメインディッシュの横に添えられた\nガーニッシュ…あるいは調味料程度にしか感じられない。" }, { "id": 19, "content": "俺にとって本当に価値のあるのは、\n俺の指先が以前より敵の身体にどれだけ深く突き刺さったか。" }, { "id": 20, "content": "また、どれだけ俺の打撃が速く、重くなったのか。" }, { "id": 21, "content": "この動く…少し湿った木人椿を通じて検証することだ。" }, { "id": 22, "content": "そして俺はいつも悟る。" }, { "id": 23, "content": "俺が選択した鍛錬の炎は、未だに熱く燃え上がり…。" }, { "id": 24, "content": "準備のできていない木人椿を\nめらめらと燃やしてるってことを。" }, { "id": 25, "content": "とあるやつらはリウ協会が皆で集まって、メシでも\n食べてるやつらだって言って回ってるみてぇだが…。" }, { "id": 26, "content": "はぁ、正直言うと\n一緒にされるのにイライラする。" }, { "id": 27, "content": "そいつらが名店探訪だの何だの言って休日を過ごしてるとき…\n閉じこもって自分を彫っている俺と、同じ扱いはしないで欲しい。" } ] }