{ "dataList": [ { "id": 0, "content": "仲間たちが死んだ。" }, { "id": 1, "content": "三人、五人?もしかしたら六人かもしれねぇな。" }, { "id": 2, "content": "何人でも、もう関係ねぇ。" }, { "id": 3, "content": "都市に四六時中現れる新技術というもんのせいで、みんなくたばっちまったから。" }, { "id": 4, "content": "あるやつは職を失って飢え、あるやつは身が粉々に分解されてくたばった。それ以外だと、技術の部品になっちまって人間としての扱いも受けられなかったり。" }, { "id": 5, "content": "みんな真面目なヤツらだった。オレなんかと親しくしてくれて内心ありがてぇって思うくらいには。" }, { "id": 6, "content": "…もちろん、顔に出したことはねぇけど。" }, { "id": 7, "content": "オレは運が良かった。" }, { "id": 8, "content": "少なくとも、押し寄せて来る技術の波に飲まれてくたばっちまったわけじゃねぇから。" }, { "id": 9, "content": "逃げるように去って、裏路地に捨てられちまった傘みてぇに漂ってたオレを受け入れてくれたけど…。" }, { "id": 10, "content": "やっぱオレには過ぎた縁だったか。" }, { "id": 11, "content": "結局みんな、水に濡れた紙が破れるように消えちまった。" }, { "id": 12, "content": "そしてそれを、見てばっかいたって後悔と屈辱は、狂ったみてぇに怒りを沸き立たせた。" }, { "id": 13, "content": "もしかすると、本当にあの人らの言う通り技術ってもんがなかったら。" }, { "id": 14, "content": "今頃死ななかったはずのヤツらと裏路地の居酒屋で思いっきり笑ってふざけられたんだろうな。" }, { "id": 15, "content": "それでオレは今度こそ確実に、そして心を尽くして壊して帰ろうと決心した。" }, { "id": 16, "content": "人が楽するために作られたって技術、科学なんかが結局人を殺るだなんて。そんなもんは最初から存在しちゃ駄目だと思い始めた。" }, { "id": 17, "content": "残ったオレたちは、かつて技術の先端を行っていたが、墜落して腐った翼の死体を掘り起こし、あれほど呪っていた技術の成果物、E.G.Oというものを身にまとった。" }, { "id": 18, "content": "くだらねぇことに、技術なんかにも心みてぇなもんがあったのか。これを着るとすぐに寒くて暗い気持ちがどっと襲いかかってきた。" }, { "id": 19, "content": "絶えねぇ憂鬱感に取り巻かれてた。でも、その一方でオレと似てるって気がしちまったんだよな。" }, { "id": 20, "content": "もしかしたらこれも、ある日のオレみてぇに…追い出されて捨てられた誰かの友達なのかもしんねぇだろ。" }, { "id": 21, "content": "そう考えると、はっ。ちょっと戦う気になったんだよ。" }, { "id": 22, "content": "馬鹿げた技術を守ろうとするヤツらを片して、二度と日の目を浴びないように全部沈めちまうことができた。" }, { "id": 23, "content": "だからって、仲間が戻ってくるわけじゃねぇだろうけど。" }, { "id": 24, "content": "少なくともオレたちみてぇな目に遭う人が生まれることは減るだろうな。" }, { "id": 25, "content": "でも…。" }, { "id": 26, "content": "一仕事終わると、結局オレって一人なんだなって事実が心に染み入ってくんだよな。" }, { "id": 27, "content": "結局は、ジメジメして暗い裏路地のどこかをほっつきながら…。" }, { "id": 28, "content": "そこじゃなきゃ眠れなくなっちまった。" }, { "id": 29, "content": "クソッ、結局オレもこのE.G.Oっていう技術にしっぺ返しされて終わりなんだろうか。" }, { "id": 30, "content": "笑えもしねぇな。" }, { "id": 31, "content": "…もういい。考えても答えは出ねぇし。" }, { "id": 32, "content": "どうせここで始めた仕事を終わらせたら、堂々と帰るから…。" }, { "id": 33, "content": "新しい世界を作り出せさえすれば…また…。" }, { "id": 34, "content": "お前もそろそろあっち行け。余計な関心を持つんじゃねぇぞ。" }, { "id": 35, "content": "オレに友達なんか、もういねぇからよ。" } ] }