{ "dataList": [ { "id": 0, "teller": "口うるさいスチューデント", "title": "薬指 野獣派スチューデント", "content": "ドーセント様の作品…だよね?\nでも毛も爪もないってホント?" }, { "id": 1, "teller": "繊細なスチューデント", "title": "薬指 野獣派スチューデント", "content": "見間違いじゃない?ドーセントさんが\n狼の素材を作品に活用しないはずなんてないでしょ。" }, { "id": 2, "teller": "口うるさいスチューデント", "title": "薬指 野獣派スチューデント", "content": "いやいや、ここ見てよ。\nここにロジオン様のサインが確かにあるんだから。" }, { "id": 3, "content": "野獣派に入った者なら誰でも、\n心の中に野獣の一匹くらいは抱えて生きてるんだ。" }, { "id": 4, "content": "ある人は猫を、ある人は犬を、またある人は山羊を。" }, { "id": 5, "content": "まあ…抱えてるからって全員が使いこなせるわけじゃないけど…\nそれでも着想の源にする野獣くらいは、みんな持ってるってこと。" }, { "id": 6, "content": "私の場合はそれが狼だったってこと。" }, { "id": 7, "teller": "繊細なスチューデント", "title": "薬指 野獣派スチューデント", "content": "いきなり鯨って…こっちに転向されるつもりなのかな?" }, { "id": 8, "teller": "口うるさいスチューデント", "title": "薬指 野獣派スチューデント", "content": "まさか…アイデンティティを変えて\n成功した芸術家なんて何人いるっていうの。" }, { "id": 9, "content": "それを変えるってことは、\n野獣派ではわりと話題に上がりやすいことだけど…。" }, { "id": 10, "content": "まあ、審美眼のない連中ってだいたいそういうものでしょ。" }, { "id": 11, "content": "少しでもまともな目を持っていれば、私がまだ抱いてるのが\n狼だってことくらい気づけたはずなのに。" }, { "id": 12, "teller": "同僚のドーセント", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "だそうですけど?" }, { "id": 13, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "ちょっと。鑑賞中は静かにしてって言ってるでしょ?\n壁に耳もないのに全部筒抜けだって。" }, { "id": 14, "teller": "同僚のドーセント", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "スチューデントたちの心配が間違ってるわけじゃないですからね。" }, { "id": 15, "teller": "同僚のドーセント", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "そのときどきの流行に乗ったり、たいしたことない理由で\nアイデンティティをころころ変えてくのは、正直見苦しいですから。" }, { "id": 16, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "強烈に刺さってない感じは出てるよね。\n浅い爪痕一個残して満足してるのも、いまいちだし。" }, { "id": 17, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "確かにマエストロさん以外で成功した人って\nほとんど見てないね。そうじゃない?" }, { "id": 18, "teller": "同僚のドーセント", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "あの方は…まあ、全ての野獣に対する\n理解と愛情が並外れてますからね。" }, { "id": 19, "teller": "同僚のドーセント", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "どこかに行かれるたびに別の野獣に熱中されているのに、\n毎回作品の深みがすごくて。" }, { "id": 20, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "それはそうだよね。今回はどこかの外郭にでも\n行ってきたみたいだけど…。" }, { "id": 21, "teller": "同僚のドーセント", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "とにかく、このままにしておくと\n誤解したまま終わってしまいそうだけど…。" }, { "id": 22, "teller": "同僚のドーセント", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "あの作品、スチューデントたちにも解説してあげるんですか?" }, { "id": 23, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "う~ん、考え中。それでも一人くらいは\n気づいてくれることを期待してたんだけど。" }, { "id": 24, "content": "見えるものだけが大事だって言うけど、\nぜんぶ見え見えだったら何が面白いの?" }, { "id": 25, "content": "大体ひと皮分だけ隠しておいたのに…\nやっぱりスチューデントたちの審美眼じゃ見えないみたい。" }, { "id": 26, "content": "鯨たちの皮をピンと引っ張っている、\n無数の狼の歯と腱。" }, { "id": 27, "content": "群で狩りをするように取り囲んで引きちぎる、その獰猛さを。" }, { "id": 28, "teller": "同僚のドーセント", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "縫い目をちょっと注意深く見てくれるだけで、\nその意図に感嘆の声が上がるはずなんですけど…。" }, { "id": 29, "teller": "同僚のドーセント", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "すぐ答えを見せるのがもったいないのは分かりますけど、こういうときこそ\n解説兼レクチャーという形でインスピレーションを授けてもいいんじゃないですか?" }, { "id": 30, "teller": "同僚のドーセント", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "最近、新作をあまり見られてないせいなのか、\nスチューデントたちの成績にどうも満足いかないんですよね。" }, { "id": 31, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "育ててみる価値のあるスチューデントって確かにいないんだよね。" }, { "id": 32, "teller": "同僚のドーセント", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "それでもまだあの子と、あそこの…。" }, { "id": 33, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "あの子?うわ…あの子の作品には\n野性がないんだって、野性が。" }, { "id": 34, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "創造性と意外性がまるで見当たらないんだから。" }, { "id": 35, "teller": "同僚のドーセント", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "でも理論は完璧じゃないですか。ロージャ、あなたはスチューデントのときから\n野性を表現することに長けていたから、情が湧かないのは理解できますけどね。" }, { "id": 36, "teller": "同僚のドーセント", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "「餓え、渇き」。あれはスチューデント時代の作品の中でも、\n今なお展示されている数少ない作品じゃないですか。" }, { "id": 37, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "うぇっ…あれまだ展示中なの?" }, { "id": 38, "content": "餓え、渇き。" }, { "id": 39, "content": "お腹が空いて、寒くて…なんでも食べようとして、\n腐って崩れた肉と革で作った駄作。" }, { "id": 40, "content": "基礎も知らない頃に作った作品だったけど…\nみんな不思議と、目が離せなかったんだよね。" }, { "id": 41, "content": "野獣の餓え、そこから呼び起こされる\n凶暴さが隠し立てなく表れてたとかなんとか。" }, { "id": 42, "teller": "同僚のドーセント", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "あまり気乗りしないんですね?" }, { "id": 43, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "あはは…あんまり好きじゃないから。" }, { "id": 44, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "自分の作品だけど、\nあまりにも惨めったらしいでしょ。" }, { "id": 45, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "でも…分かってる。あれはもう一度作ろうとしても\n作れない作品だからね。" }, { "id": 46, "teller": "同僚のドーセント", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "じゃあその話はここで切り上げましょうか。" }, { "id": 47, "content": "今は芸術でお金も入るから、買いたかった素材もばんばん買って、\nいい作品を作って狩りにも行けるけど…。" }, { "id": 48, "content": "あの作品を作った頃は、こんな生活なんて\n想像だにできなかったんだから。" }, { "id": 49, "content": "どんな野性が込められてたか…今は理解しているけど。" }, { "id": 50, "content": "…その野性をもう一度表現したいとは思わない。絶対に。" }, { "id": 51, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "解説は明日くらいにしようかな?" }, { "id": 52, "teller": "同僚のドーセント", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "今日はお忙しいんですか?" }, { "id": 53, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "うん。蜘蛛の巣に行ってこなきゃいけなくて。" }, { "id": 54, "teller": "同僚のドーセント", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "崩れたって噂は本当だったんですね。" }, { "id": 55, "teller": "同僚のドーセント", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "でも…そこから持ってくるようなものって、あるんですかね?\n前に訪れた人の話によると、相変わらずだって言ってましたけど…。" }, { "id": 56, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "マエストロさんが、回収できるものがあれば\n持ってきてって言ってたってことは…\n何かしらあるんじゃないかな?" }, { "id": 57, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "もしかしたら完成してるかもしれないでしょ。\n蜘蛛の巣の悲願ってやつ。" }, { "id": 59, "content": "そうは言ったけど、やっぱりね。" }, { "id": 60, "content": "成功したものをバッサリ捨てるのも道だって知らなきゃね。\n最近の芸術って、型破りって言葉がつかなかったら\n一気に関心が薄れるんだから。" }, { "id": 61, "content": "招かれざる客が堂々と居座ってるだなんて\nどれだけ人が来ていなかったのやら…。" }, { "id": 62, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "いまさら柱の陰に隠れてもぜ~んぶ見えてるんだから、\n出てきた方がいいんじゃない?" }, { "id": 64, "teller": "???", "title": "ウェイフェアラー 開通第5チーム", "content": "……。" }, { "id": 65, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "案内人もなしに廊下をうろつく招かれざる客が\n最近多いって言ってたけど。" }, { "id": 66, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "私たちってどういう仲なんだろ。\n久しぶり?それとも初対面?" }, { "id": 67, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "そのセンスのないマスクのせいで見えなくて\nよく分かんないね。" }, { "id": 68, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "前に会ったダーリンたちと服装は\n少し違うけど…ロゴは同じみたいだね。" }, { "id": 69, "content": "目で数え切れないほど所狭しと飾られた作品と、\nそれと対照的に空っぽの空間。" }, { "id": 70, "content": "噂によれば、身体派のマエストロは何十年もひらめきを失ったまま、\n色褪せたとか言ってたっけ?" }, { "id": 71, "content": "時代遅れの芸術思潮という噂通り、\nどこを見渡しても見覚えのあるものばかりだけど…。" }, { "id": 72, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "普段なら、廊下の招かれざる客は\nすぐ引き裂いて追い払ってたけど…。" }, { "id": 73, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "でもここ…蜘蛛の巣のギャラリーの最後の観覧客かもしれないから、\n簡単に案内くらいしてあげよっか?" }, { "id": 74, "content": "こんなみすぼらしいギャラリーでも、\n消える前に一度くらいはちゃんと観覧客に案内してあげなきゃ。" }, { "id": 75, "content": "解説を添えるだけのディテールと意図は十分見えるから。\n難しくもないし。" }, { "id": 76, "teller": "???", "title": "ウェイフェアラー 開通第5チームチーフ", "content": "こちら開通第5チーム。薬指と遭遇した。" }, { "id": 77, "teller": "???", "title": "ウェイフェアラー 開通第5チームチーフ", "content": "識別可能な逃走経路の確認を要請する。" }, { "id": 78, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "う~ん、この作品はアレだね。身体を精巧に一針一針縫い合わせて作り上げた、\n動脈と静脈の対比する二重奏。" }, { "id": 79, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "血液を過剰なほど抜き取って、色の代わりに二つの血管の弾力だけに\n重点を置いてるね。繊細な技巧に自信がなければ試しもできない手法か。\nわぁ、私こういうのは苦手だな。" }, { "id": 80, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "スチューデントが作ってきたんなら、\nあら…あなたすごい才能持ってるじゃない?って育ててあげたんだけど…。" }, { "id": 81, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "マエストロが作ったにしては惜しい作品じゃないかな…って思うんだけど?" }, { "id": 82, "teller": "???", "title": "ウェイフェアラー 開通第5チームチーフ", "content": "廊下内部で人体で作られた作品に関する解説を開始。" }, { "id": 83, "teller": "???", "title": "ウェイフェアラー 開通第5チーム", "content": "薬指のドーセント…である可能性が高いですね。どうされますか?" }, { "id": 84, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "ここの、この作品は断末魔の絶叫を保存してるの。\nこうやってグッと押すと、悲鳴が流れてるでしょ?" }, { "id": 85, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "悲鳴が出るこの構造は…何ていうか。\nちょっと時代を感じるね。" }, { "id": 86, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "こういうスタイルは悲鳴の代わりに希望が垣間見える声を入れるか、\n悲鳴をもう少しなだめて素敵な旋律にするのがトレンドなんだよね。\nディテールに比べてだぁいぶ古すぎるね~。" }, { "id": 87, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "でも…生まれてこのかた芸術なんて知らずに生きてた\nダーリンたちには少しきついと思うんだけど…。" }, { "id": 88, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "意外とピンピンしてるんだよね。不思議なくらい。" }, { "id": 89, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "廊下をあちこちうろついて薬指の作品をいくつも見たとか、\nそれとも廊下と廊下の間に現れる着想を見たとか…\nあるいはその両方?" }, { "id": 90, "teller": "???", "title": "ウェイフェアラー 開通第5チームチーフ", "content": "ひとまず、解説と外観についての記録は止めないように。" }, { "id": 91, "teller": "???", "title": "ウェイフェアラー 開通第5チームチーフ", "content": "常識的に考えれば、廊下を歩き回っていた\n薬指のドーセントだろうけども…。" }, { "id": 92, "teller": "???", "title": "ウェイフェアラー 開通第5チームチーフ", "content": "もしやすると、まだ知られていない現象か\n人の姿に擬態したロストかもしれない。" }, { "id": 93, "teller": "???", "title": "ウェイフェアラー 開通第5チーム", "content": "それならば…。" }, { "id": 94, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "次の作品は…ちょっと、あんたたち聞いてる?" }, { "id": 95, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "一生懸命記録する態度は褒めてあげるけど…\n芸術って暗記するものじゃなくて、全身で受け入れるものなんだからね。" }, { "id": 96, "teller": "???", "title": "ウェイフェアラー 開通第5チームチーフ", "content": "…解説が止まったな。" }, { "id": 97, "teller": "???", "title": "ウェイフェアラー 開通第5チーム", "content": "機材は設置しましたし、撤退してはどうですか?" }, { "id": 98, "teller": "???", "title": "ウェイフェアラー 開通第5チームチーフ", "content": "ひとまずはそなたの言う通り、身を退こう。" }, { "id": 99, "content": "これだから観覧客のレベルも大事なんだよね。" }, { "id": 100, "content": "せっかく解説してあげてるのに、\n聞く素振りもしないで変な端末ばかり叩いてるでしょ。" }, { "id": 101, "content": "おまけにちゃんとした感想も残さないで、\n逃げようとまでするなんて…。" }, { "id": 102, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "はは…仕方ないでしょ、こうなったら。" }, { "id": 103, "content": "血管と腱を撚り合わせて作った、\n鮮紅色の糸を一気に引っ張る。" }, { "id": 104, "content": "爪が立つ、ガリガリと鳴り響く旋律。" }, { "id": 105, "content": "ピンと張り詰めた糸に沿って整列する、\n獣の骨の構造的な美しさ。" }, { "id": 106, "teller": "???", "title": "ウェイフェアラー 開通第5チームチーフ", "content": "…!全員、指定された方向に散って交戦を避け、\n別の廊下に移動する!" }, { "id": 107, "teller": "???", "title": "ウェイフェアラー 開通第5チーム", "content": "うわぁあっ!" }, { "id": 108, "teller": "???", "title": "ウェイフェアラー 開通第5チームチーフ", "content": "ま、待てちょっと速す…がっ!" }, { "id": 109, "content": "押し潰されて弾け、引き裂かれた招かれざる客たちが\n真っ白な壁に残した粗末な線まで。" }, { "id": 110, "content": "招かれざる客たちに披露するには、分不相応で強烈な芸術だろうけど…。" }, { "id": 111, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "もうその両目に収めてしまった以上…。" }, { "id": 112, "model": "로쟈", "title": "薬指 野獣派ドーセント", "content": "一生の傷跡になって残る、強烈な感想を刻み込んでやるしか。" } ] }