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"id": 97111001,
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"title": "キムサッガッの過去 1",
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"behaveDesc": "どの囚人が前へ出る?",
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"囚人{0}は何かしら説明しようとしたけど、ふともっと良い考えが浮かんだのか、キムサッガッとエンドゥの方を振り返った。\n\n「わたし…は、この辺りをよく知りませぬが、もしやお頭なら…。」\n\n「…はぁ。」\nキムサッガッは何かひどく決まりが悪そうな目をしながら大きくため息を吐くと、その者のところへ行き、何やら説明してやった。\n\n「…それから、その御賜花(オサファ)の付いた冠は脱いで歩くことを勧めたいな。」\n「ん?どうして…。」\n「そうしろと言われたらそうしなされ。理由はある。」\n\n青年は腑に落ちない表情をしていたが、やがてそれよりも、助けてもらったことへの礼を尽くすのが大事だと言って、小さな陶器のようなものを差し出した。\n\n「ほう、これは硯滴か?」\n「貴殿らは墨を磨る機会がないかもしれないが、この小さな水差しが、貴殿らの人生の流れの中に小さな流れを作ってくれればと思い。」\n「…はっ!」\n\n…最後にキムサッガッが鼻で笑いさえしなければ、感動的な場面だったかもしれないが。\n青年もそれ以上は何も反応せず、急いで行くべき道へ去っていった。\n\n後にエンドゥが、キムサッガッの行動について、なぜあのように振る舞ったのかを尋ねたが、キムサッガッは相変わらず不快そうな様子を隠さず、固く口をつぐむばかりだった。"
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"「何だ、よく知らないのか?」\n\nなら仕方ないと言って、その青年は舌をちょっと鳴らすと、どこかへ消えていった。\n\n「…はぁ。」\n\nその者が去っていくと、後ろの方で知らんぷりをして後ろ手を組んでいたキムサッガッが、低くため息を吐いた。\n\n「お頭、何か仰りたいことがおありなのですか?」\n「いや、あれ…俺だから。」\n\n…突然の発言に、しばらく囚人たちが騒がしくなった。\n\n「まだ天地の恐ろしさも知らず、自分に酔って歩き回っていた頃だな。」\n「ちょうど科挙の題が逆賊だったものだから、張り切ってそんな奴が二度と現れないようにする方法を書いて…。」\n「家に着いてから知るわけだ。その逆賊ってのが、自分の上の代の先祖を指しているってことを。」\n\n「で、では…お頭が科挙に及第なさっても官職に就かれなかったのは…。」\n\n「就こうにも就けたと思うか、エンドゥ。どうしてあの間抜けに案内人が付かなかったと思う。」\n「俺以外の人間は事情を全部知っていたんだ。自分の先祖を売って及第したろくでなしだって、噂がすっかり広まっていた。」\n\nキムサッガッはどうってことないように、冗談でも言うようにそう吐き出すと、私たちより先に道を歩いていった。\n\n「まあ、そうでなかったとしても、俺自身が恥ずかしくて筆を折っていただろうが。」\n\n…かすかに震える手を、慌てて後ろ手に組んで隠しながら。"
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"id": 97111101,
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"title": "キムサッガッの過去 2",
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"behaveDesc": "どの囚人が出るだろうか?",
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"囚人{0}は、必ずしも今だけでなく、機会というものは何度も訪れるものだと言った。\n\n「…貴殿もそう思うのか?」\n「そもそも俺が問いかけたのは貴殿ではあるが。」\n\n何だか望んでいた答えではなかったらしく、青年…いや、過去のキムサッガッは、不快そうな表情を隠さない現在のキムサッガッに、そっと話を向けた。\n\n「ここで俺が答えてしまえば、機会が二度訪れたことになるのか?」\n「まあ。そうなるなら、訪れてはいるな。いくつも。」\n\n…キムサッガッはぶっきらぼうな言葉を投げかけるだけだった。\n\nだがその答えもそう悪くはなかったのか、青年は小さく笑うと、またその場にどさりともたれて座った。\n\n「まあ、誰かに口出しされてどうこうなることでもない。」\n「答えは見つからなかったが、時間を使ってくれたから礼はしよう。」\n\n彼は懐を探ると、大きな葉で包んだ餅の塊を渡してくれた。\n\n「道中で食べなされ。なかなか美味いんだ、その餅。」"
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"failureDesc": [
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"囚人{0}が話そうとした瞬間…。\n\n「俺は貴殿に尋ねたわけではないんだが。」\n\nキムサッガッが口を閉ざしているのが気に入らなかったのか、青年…いや、過去のキムサッガッは、少し冷ややかな口調でそう言った。\n\n「…まあ、話す気がないならそれでいい。行く道を辿り続けなされ。」\n\n彼は片手をひらひら振ると、またその場にどさりともたれて座り、私たちもそれ以上何か声をかけることなく立ち去った。"
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"id": 97111202,
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"title": "キムサッガッの過去 3",
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"behaveDesc": "どの囚人が出るだろうか?",
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"「…あいつのことだろ?」\n\n囚人{0}とキムサッガッがずかずかと歩み出て、事の次第を説明した。\nもちろん、その行いを容赦なく…辛辣に…批判する調子で。\n\n「とうとう事がそこまで…!」\n「お、おい。待てよ。あの者は一体何者で、どうして俺のことを…。」\n「些細なことまで会話している時間はない。お前は今からS社を抜け出して…。」\n\n獄の中にいた者は、ひどく驚きながら慌てたように言葉を吐き出そうとするが、\nキムサッガッの話を聞いた者は激昂し、その者の話に耳を貸すこともなく、拘束具を解くことだけに集中していた。\n\n「そなたが外でやるべきことは、まだ多い…。」\n「ああ、貴殿らもS社での立場を考えれば、早く姿を消すほうがよいだろう。」\n「私が入ってきた抜け道にはまだ人がいないはずだ。そこから出ろ。」\n\nその者は、聞いただけでも分かるほど詳しい位置を伝えながらも、拘束具を解く手を遅めることはなかった。\n\n「……。」\nそしてその間、キムサッガッはなにやら考え込んでいる様子で、隅に砕け落ちていた木片のようなものを拾い、懐へ入れた。"
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"failureDesc": [
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"「…?貴殿らは何者で、どうして俺を知っていると言うんだ?」\n\n囚人{0}が多くを語るよりも早く、獄の中に座り込んでいた者が、唐突に口を開いた。\n\n自分とは面識もない者なのに、まるで知っているかのように…いや、本当にあったことをすらすら並べ立てているのを見て、黙っていたくてもそうできなかったのかもしれない。\n\n「…何だと?」\n「ならば…朝廷の獄に雑輩どもが入り込んだと見なしてよいということか?」\n\n何か弁明する暇も与えられず、私たちへ向かって駆けかかってくる者の攻撃は中々凄まじかった。\n\n囚人たちと共に、ひどく取り乱しながら別の場所へ逃げるしかなかった…。"
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